企業が「研修」導入している理由は何でしょうか。
「社員を成長させるため」に研修を実施しているはずです。一部、言葉を選ばずに書くと「体裁を保つための研修」(良い企業として見える。ブラックではないとアピール。)もあると思うのですが、殆どは「社員を成長させるため」に研修を導入しているはずです。
ではなぜ、社員を成長させる必要があるかというと、企業を成長させるためです。つまり企業の収益を伸ばしていくために、社員の成長が必要です。
ここで考えたいのは、
①企業の収益を伸ばすためには必ず社員を成長させる必要はあるのか?
②また社員を成長させるためには必ず研修が必要なのか?
ということです。
①について。
「もし社員の能力がそのままだとしたら、企業は顧客に対して価値提供し続けることができるのか?」と問うと、NOです。なぜなら顧客は変化していきます。競合の台頭もあります。現状と同じサービス提供だと顧客は満足しなくなり、すると競合に顧客を奪われてしまいます。そのため企業としては、競争に勝ち残っていくために、例えば社員の技術力、提案力、コミュニケーション能力を向上させ、企業競争力を高めようと考えます。
IT業界で顕著に見られるのですが、技術の進歩が早いため、現場エンジニアやセールスパーソンには常に技術やプロダクトのアップデートが求められます。
成長をやめてしまうと顧客や業界から置いてかれてしまうでしょう。
別の考えもあります。既に能力がある人を採用する考えです。マネジャーやリーダーが不足している場合に既に実績のある人を採用すれば、育成する必要がありません。ただし条件に合致した能力の高い理想の人材を採用できるかというと完璧にはいきません。この場合も、やはり採用後に育成し、成長させる必要性が出てくるのです。
②「社員を成長させるためには必ず研修が必要なのか?」
社員を成長させるには研修以外の手段もあります。OJTトレーニングや、セールスの場合は現場で鍛えるスタンスの企業が多いと思います。
社員を成長させる手段は研修だけではありません。むしろ研修がない会社でも成長する人は成長します。
企業が研修を導入する目的が「社員の成長のため」だとすると、「社員が成長するにはどうすればいいか?」という問いを考えていく必要があります。
ブルームウィルは、米のロミンガー社の調査結果が示しているように「人は仕事そのもので成長する」という考えを基にして研修プログラムを提供しています。(※)現場業務に直結したテーマを学び、実践して、内省する場をつくり、結果と成長実感を得ながらその企業で成長するサイクルを生み出しています。
※ロミンガー社の「人材が育つうえでどのような出来事が有益であったか」という調査によれば、経験70%・薫陶20%・研修10%という分布になっている。
これからの社会の中で生き抜くには、ポジティブな変化である「成長」が皆に求められると思います。
その手段として研修をお考えの際は、是非「学び→実践→内省」のサイクルを回せるかどうかをご一考頂きたいと思っています。
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